ずるい。この言葉からみなさんはどのような印象を受けますか?あんまりいい印象はいけないかもしれません。ずるい生き方は果たして賢い生き方と言えるでしょうか。
実は「ずるい」にも色々な「ずるい」があります。ラテラルシンキング(Lateral thinking)と絡めながら、「ずるい」を哲学していきましょう。ちなみに、Lateralとは「水平」という意味で、水平方向に思考を広げる、つまり物事を多角的に捉える思考法がラテラルシンキングというわけです。これに加えてロジカルシンキング(Logical thinking)も抑えておくといいかもしれません。
目次
①ラテラルシンキングに必要な3つの能力
- 疑う力
- 抽象化する力
- セレンディピティ
詳しくは説明しませんが、ラテラルシンキングの核となる能力は上記の3つになります。特に僕が印象的だったのは、「抽象化する力」です。
「抽象化する力」って言われても、なんだか抽象的すぎてよくわかりませんよね。笑 端的に言えば、抽象化とは本質を見極めることです。
例えば、「鉛筆」の本質は何でしょうか。はい、文字や絵を描くことですよね。鉛筆が短くなって使えなくなると捨てられてしまう。それは、鉛筆の機能すなわち本質が失われてしまうからです。
では、書くという行為を抽象化すれば、鉛筆の代用品が次々と出てきます。ボールペンや万年筆、クレヨンでもいいですよね。このように物事を抽象化することで、発想の幅を大きく広げることができますね。
②疑うこと=悪いこと、ではない
僕は大学1年生の時に、先輩やメンターから「物事を疑いなさい」と教えられました。ただ、僕は「疑うことは悪いことだ」と信じて生きてきたので、なかなかその意図が伝わりませんでした。(先輩やメンターの方々、その節は申し訳ございませんでした)
でも今ならその意図がよくわかります。私たちは物事に対して無批判に受け入れてしまうことの恐さにも自覚的であるべきでしょう。ただ、人間関係を壊すような疑い方はもちろん論外です。
相手を疑うのではなく、提示された前提を疑ってみる。
この習慣を身につけることで固定観念から解放され、自由な発想ができるようになると書かれています。
③先の先を読む
僕は将棋が趣味です。小学、中学時代はよく祖父と一局交えていました。将棋で必要なスキルは「先を読む」こと。これは、高いレベルになってくるほど、「先」の数が多くなります。
つまり、相手よりも「先」を読めた者がより優位に戦局を進めることができます。本書では、「クリスピー・クリーム・ドーナツ」の例がありましたが、ビジネスや広告という観点から、非常に興味深い事例が紹介されていました。
ネタバレは避けますが、当ドーナツ店は知名度0パーセントだと仮定します。もしその場合、みなさんだったらどのようにしてそのお店の知名度を上げようとするでしょうか。それもお店に好印象をもってもらい、情報を広く口コミしてもらうためにはどうするべきなのか。本書を読めば、画期的な方法を知ることができます。ポイントは「先の先を読む」ことです。
いかがでしたか。「ずるい考え方」と言えば聞こえは悪いですが、実は普段から誰もが実践していることのように感じました。多くの事例を通して、自分の考えに落とし込むことでより効果的にLateral thinkingを活用できるでしょう。