岩田道夫氏の詩画集です。
本書はAmazonで販売されておりませんでした。
さて、私は詩画集というジャンルを今回初めて読みました。詩画集とは、その名の通り「詩」と「絵画」が組み合わされた本です。そして本書では、ある「美しさ」が存分に味わえることをお伝えしておきます。
本書によれば、
「最近の脳科学の立場からいえば、言語とは、視覚と聴覚とが、共同して作られるものと考えられている」
とのことでした。つまり、詩画集のような「詩」と「絵」のミックスは極めて自然なものだということが言えます。本書の舞台は北海道旭川市です。旭川市に住んだことがある人ならどなたでもわかるかと思いますが、パルプ工場なるものがあります。
その工場からはもくもくと煙が出ており、近くにいくと匂いが気になる時もあるほどです。そして、そのパルプ工場がこの詩画集のテーマでもあるのです。主人公は煙をもくもく出すパルプ工場とその煙そのものです。
工場の煙といえば、公害の象徴というか、公害そのものですよね。美しい北の街、旭川市にそびえる公害工場。どのようにして美しさと相反するものが美しさを表現できるのでしょうか。それは本書を手に取れば、スポンジに水が吸収されていくように理解できるはずです。それではお楽しみください。