2020年のうちに読んでおいたがいい一冊。
本書では、日本が直面する100の課題が論じられています。大学受験や企業面接などでも役立つ情報が収録されているかと思います。
テーマは政治、国際、経済、社会、文化・メディア、生活・医療、芸能・スポーツ、教育・科学などなど。目を通しておいて損はない内容になっています。
僕は毎日1、2テーマ読み、考察して思考力を高める、自分の意見を持つことを意識しています。
今日読んだトピックは、「『老後2000万円問題』には解決策があるのか」
老後の生活資金として公的年金だけでは不十分であり、95歳まで生きると仮定するならば自力で2000万円を用意する必要があるという問題です。
まず、この問題を誰が提唱し始めたのか、という点に注目してみましょう。端的に言うと、金融審議会市場ワーキング・グループによる報告書「高齢社会における資産形成・管理」をもとにした情報だそうです。
ただ、実は「2000万円をためる必要がある」というメッセージを投げかけているものではなかったんです。老後の平均的な収入と支出のデータを比較して、支出が収入を上回っていることがわかり、その差額の30年分が約2000万円ということだったらしいです。個々人の収入は異なるので、あくまでも平均を基準にしたデータにすぎなかったんですね。
僕がこの問題を聞いた時の感想は、「これを聞いた時僕のような若者は何を感じるんだろう。」です。僕の年代の若者は、「『2000年問題』を耳にして、個人で稼げる方法を勉強しました」や「国民年金を毎月支払う必要ってあるのかな」などでした。
ある意味で、多くの人が老後について考えるきっかけになったという点では、有意義な誤解といえるかもしれません。ただ、間違った捉え方をすることで、非常につまらない人生になりかねないと思いました。
「老後のために2000万円をためる人生」それに生きがいを感じる若者、不安を感じたくないから必死に働く若者、20代のうちに2000万円の貯金をためて優越感を感じている若者。
老後のことばかりを不安に思いながら働いて貯蓄をするのだとすれば、「今」は何のためにあるのでしょうか。もちろんお金の準備をすることは大切です。
ただ、老後のお金の準備をすることばかりに気を取られて、目の前にある仕事や人間関係をなおざりにしてしまったら、本末転倒だし、まるで「ピエロ」です。
老後のために生きるのではなくて、まずは今を生きること。「Carpe Diem」です。今をしっかり生きる先に、老後があることを再確認。